だが、ダライ・ラマの本を読んだことがある人なら気付くであろうが、大乗仏教の基本は菩提心である。菩提心とは、全ての生きとし生けるものを救うために自らを顧みずに仏道の実践をしようという決意することである。
これは、慈悲、すなわち、他者が幸福になることを願う心と他者の苦しみを取り除きたいという気持ちに他ならない。この慈悲の心である菩提心がなければ、大乗の道に入ったことにはならない。そして、いかにして、このような菩提心を育めばよいかが、ダライ・ラマ猊下のお話の大部分をしめるのである。
この慈悲心を子どもにも分かるように標語にしたのが、「自分よりも他の人の方が、もっと大事」というTCVに掲げられた言葉である。