松下幸之助物語読書感想文コンクールとATAについて

 皆様、あけましておめでとうございます。

ミャンマーでは日中でも温かい日々が続いておりますが、皆様はどのようにお過ごしでしょうか。私は初めて村で新年を過ごしましたが、ミャンマーのお正月は4月ということもあり、村は普段と変わらず静かな日々が続きました(*^-^*)

ャンマーは、様々な民族が存在するので(135の民族)、新年の過ごし方は人それぞれと言ったほうが適切かもしれません。カレン民族にとっては1月2日が元日で(ちなみに毎年変わるそうです)コロナと政治的混乱の影響で規模は縮小していますが、各地でお祝いの行事がありました。カレンニューイヤーには踊りや歌を披露するために、村中の人が集まるとのことで、年末にカレン族の村の学校に訪れた際には、踊りの練習で何人か生徒が休んでいました。日本では中々想像つかないような多民族国家ならではの様々な年末の過ごし方があり、とても興味深いです。


研修センターでは今年から教員に対する人材育成プログラム(HRDP)を再開する予定なので、いまからワクワクしております。村からの活動報告も続けて参りますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、今回は前回告知させて頂きましたように、なぜ読書感想文コンクールをそしてATA(アルティック・ティーチャーズ・アカデミー)を行うのかについて詳しくお伝えしたいと思います。

 

①読書感想文コンクールについて

読書感想文を書くことは日本では小学生の頃から馴染みのあることですが、実はミャンマーでは殆ど行われていません。そもそも本を読む習慣があまりなく、公立の学校の多くでは日本の小中学校のように充実した図書館がありません。

←ミャンマーの学校の本コーナー

かつては、村にも図書館があったと言われているミャンマーですが、長期に渡る教育軽視政策のせいで、人々は本を読むことを忘れてしまいました。また、近年のスマートフォンの流行により、簡単に情報にアクセスできるようになりましたが、本を読むことによって得ることのできる能力はスマートフォンでは得ることができません。

ミャンマーでは本を読んでエッセイを書くというと、要約を書くという意味で取られることが多く、先生を対象にしたエッセイコンテストでも多くの先生が『感想文』ではなく『まとめ』を提出してくれます。本を読んで感じたこと、学んだこと、学んだことをどのように生かしていきたいかなど、思考力を働かせて文章を書くということは先生であっても経験が少なく、子ども達となれば尚更です。思考力、すなわち考える力が弱いままであると、問題解決や目標達成が苦手であったり、積極性がなく、自分からアクションを起こせず、受け身の人生になってしまい自己成長や自立することが大変難しくなると私達は考えます。

 2018年にアウンサンスーチー氏が教育における読書の重要性を国民に訴えかけて以来、読書に対する意識向上に期待が高まりましたが、本を読む習慣を持っていない国民が大多数のなかでの改革は困難を極めています。だからこそ、まずは学校の先生が読書をはじめ、そして子ども達へと読書の習慣を広めなくてはなりません。子どもの頃に絵本を読むことで本から学ぶ楽しさを知り、その後、小学生高学年、中学生、高校生となるにつれて本を読む習慣を身に付け、感想文を書くことやディスカッションを通してさらに学びを深めることができます。

 

松下幸之助物語読書感想文コンクール様子

②アルティック・ティーチャーズ・アカデミー(ARTIC Teachers Academy: ATA)について

 

当会はアルティック・ティーチャーズ・アカデミー(ARTIC Teachers Academy: 以下、ATA)と名付けた教員に対する人材育成プログラム(HRDP)卒業生の研修サポートシステムを設立しました。ATAはHRDP卒業生が各県レベルで協力し、主体的に研修を計画・実施できるようにし、教員の更なる研鑽の場となることを目標としてつくられました。これまでは、HRDPを通し当会が研修を主催・実施し、教員の研修を続けておりましたが、それだけでは先生達の主体性・自主性を高めることができません。このHRDP研修をさらに波及させるべく、HRDPの卒業生が主導権を握り、各地域でHRDPで学んだことをベースに研修を行うことで、より多くの教員が研修受け、より良い学校活動を実施することができます。

アルティック・ティーチャーズ・アカデミーの仕組み (HRDPとはARTICが行っている教員対象の人財育成プログラムです。)

長期間の軍事政権下による愚民政策により、教育の質だけでなく、教員の質も大きく低下してしまった現在では、高いモチベーションをもった先生は少ないというのが現状です。残念ながら、教員が嘘をつくことも度々あり、彼らは嘘をつくことに対しても罪悪感をもっていないことが多くあります。教育の目標は、学問を通して知識を修めること以外に、社会性を身に付けること、そして心身共に健康な日々を過ごすことであり、一人一人が真の意味で『自立』をすることにあります。HRDP卒業生が主体となり、他の教員の研修を行えるようになれば、イラワジ管区における教員全体の質が上がり、他の地域にも教員研修の勢いが広がることを期待しています。

ATA先駆けとなった、卒業生による自主研修の様子

2022年度は中高生対象の読書感想文コンクールと、ATA(HRDP卒業生主導の研修)第一回目が実施される予定です。随時、活動報告をして参りますので、引き続きよろしくお願い致します!

 

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