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インド教育・福祉事業(2020~)

ARTICのインドでの活動は、日本政府(外務省)「日本NGO連携無償資金協力」による連携事業です。
厳しい審査(資金の使途、活動の明確性、詳細な計画など)を経て実施されています。

インドの概要

世界最大の人口(約14億人)を擁し、多民族・多言語・多宗教が共存する巨大な民主主義国家です。
憲法で定められた公用語はヒンディー語と英語のほか、22の指定言語があり、その多様性は世界でも突出しています。
仏教発祥の地であり、古来より多様な文明と哲学が花開きました。
その歴史的深みが現代のインドの文化と精神性に深く根付いています。
近年は「グローバルサウス」のリーダーとして、世界的に見てIT産業の領域で目覚ましい発展を遂げており、国際社会での影響力を増しています。

ARTICの2つの活動

① アグラ市カルワリ地区における小中学校の教育環境改善

目的:貧困と教育環境悪化の悪循環を断ち切る

ウッタルプラデシュ州アグラ市カルワリ地区は低所得者層が多く、自治体予算も乏しいため、学校施設の老朽化や不足が深刻です。
これが学習意欲の低下を招き、さらなる貧困を招くという悪循環を生んでいます。
本事業の目的は、この悪循環の根本的解消です。

教育施設(教室など)・トイレの改修・増築

小中学生合わせて350人ほどに対して教室は8部屋しかなく、面積も6×6ととても過密状態です。教員室や体育館、図書室はなく、教室によっては椅子机もなく、その場合は床に座って鞄を机代わりにして授業を受けています。
このように老朽化も深刻な小中学校の建物を改修・増築し、施設・設備をリニューアルすることで、魅力的で良好な教育環境を創出します。

トイレにおいては、この人数に対して2棟、計6つしかない上に、故障していたり、水不足で使用できない場合があります。
トイレの劣悪さと不足が登校意欲を阻喪させており、特に月経などが始まった成長期の女子生徒たちの欠席を助長しています。
そのような背景から、児童生徒用トイレ、教職員トイレ、身障がい者用多目的トイレを増設。

下水施設の整備

インドは水不足問題は大変深刻で、貧困地域はより大きな影響を受けています。
地下水自体の不足をはじめ、下水道の未整備により汚水が停滞し蚊が発生します。これが原因でマラリヤやデング熱などの被害がでています。
また、地面に垂れ流しの汚水は地下に浸透し、限りある地下水を汚染しています。
この汚染水を飲むことでの健康被害も報告されています。
このような状況を改善するため、トイレから流れ出る汚染水を浄化し再利用する浄化槽を設置しました。
浄化槽で浄化された水は経路を伝ってガーデニング用水として植物を育てるために使用されています。

【インドで一般的に使用されている浄化槽の仕組み】
  1. 第1室 汚水が最初に入り、大きく重い固形物(汚泥)を沈殿分離させます。汚泥の堆積が最も多い場所です。
  2. 第2室 第1室から送られた水から、さらに細かい固形物を沈殿させます。底に溜まった汚泥は、酸素がない環境で微生物(嫌気性)による腐敗・減容処理が進みます。
  3. 第3室 滞留時間を長くし流速を低下させることで、わずかに残った浮遊物や、第2室で分解中に発生した微細な浮遊物(スカム)などを時間をかけて沈降させます。 この室を通過する水は、沈殿分離により最も清澄になります。
  4. 第4室 第3室で清澄化された水を一時的に貯めます。 この部屋から処理水は放出され、ガーデニング用水として再利用されます。
上水施設の整備

汚染された飲料水ではなく、安心安全な飲み水を確保するため、雨水集水システムを導入。
6~8月の雨期や冬前の小雨期に屋根に降る雨水をパイプで導水して複数の浄化槽で濾過した後、地下貯水槽に貯水し、飲料として使用します。
持続可能なシステムとして、教師や生徒の保護者からも好評を得ています。

ソーラーパネルの設置

省エネのためのソーラーパネルの設置(寿命20年程度)
電気の自給自足とまではいかないが、電気代の削減につながります。

ソフト面の向上

児童生徒、教師、そして住民に対し、水と衛生に関する参加型ワークショップを開催。
単に知識を教えるだけでなく、「自分たちの環境を自分たちで良くする」という意識を共有し学校や地域への愛校心・愛郷心と、衛生・自立意識の向上を図ります。
英語とヒンズー語を用いて、何をしていかなければいけないのか、逆に何をしてはいけないのかということを伝えるための説明を作成。
皆が認識し行動できるように見やすい場所に設置しています。

②アグラ市カルワリ地区における水・衛生環境とコミュニティ活性化

目的:生活環境の抜本的改善と、地域主導の活動拠点創出

カルワリ地区では、依然として上水道の整備が十分でなく、特に女性が水汲みや運搬に多くの時間を費やされ、生活向上への大きな足枷となっています。
また、下水設備が未整備のため、汚染水の滞留による衛生環境の悪化も深刻です。

道路側溝(下水)整備

地面を掘っただけの側溝が汚水滞留の原因となり、害虫発生や地下水汚染を招いています。
現地で一般的なレンガ造の道路側溝およびコンクリートを使用して整備することで、衛生環境を改善します。

女性の社会的地位向上

コミュニティセンタでの識字・職業教育を通じ、女性たちが収入を得る機会を創出。
女性の社会的地位と生活環境の向上を間接的に目指します。

環境ワークショップ

水と衛生に関する参加型ワークショップを継続的に開催し、住民の愛郷心、自立意識、環境と衛生への意識の向上を図ります。

現地パートナーシップ

ARTICのインドにおける活動は、現地のNGO組織 CURE(https://www.cure.org.in/)との強固なパートナーシップによって支えられています。

CUREは、私たちと同じ目的を分かち合う仲間です。
貧困地区においては、特に英語が通じない場所が多く、外部の組織だけで活動を推進することは困難です。
CUREとの共同活動は、プロジェクトの実行力と持続性を確かなものにしています。

活動報告

これまで実施してきた日本NGO連携無償資金協力の活動報告をご覧いただけます。

アグラ市カルワリ地区

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