1. 学校建設

未来の平和を担う人材の教育を目指して

民主化に向けて大きく踏み出したミャンマーですが、国内には数々の問題・課題が山積しています。その一つが教育問題です。特に農村部での教育環境は劣悪で、教師の不足、校舎の老朽化、貧困による多くの中途退学者など、構造的な問題を抱えています。
そんな状況の中、教育問題の解決のために当会が2013年から取り組んでいるのが学校建設事業です。古くから友好的な親日国であるミャンマーが、教育の充実により発展を遂げ、明るい未来が築かれることを切に願うものです。

イラワジ管区だけでも、2013年には年間150から200の学校が建設され、2018年頃には年間400から500のペースで建てられていました。それでもまだ、ミャンマーでは学校の数が足りていません。この事業は村人達の積極的な参加により成り立っています。最終的な目的は村人たちが民主的な精神を持ち、自立の道を歩んで貰うことです。支援団体が、学校を建ててあげるだけではミャンマーの人々は支援に依存してしまいます。支援依存から逃れ、村人の自立心を育てるためには、村人の積極的な参加と、自分たちの力で何とかするという決意、そして責任力が必要です。ARTICでは、村人のプロジェクトへのオーナーシップを高めるために、学校建設費の1/4を負担してもらいます。村人たちで少しずつお金を出し合い、資金を調達します。

学校建設の流れ

▷村人たちが話し合い、学校建設費用の1/4を出し合う

▷お金が足りない場合は、噛みたばこなどの嗜好品を控えみんなで貯金をする

▷労働奉仕をして、みんなで学校を建てていく

▷落成式を挙げ、学校運営に村人たちもかかわる

話し合う村人たち
村人たちのやる気とコミットメントがなければプロジェクトは始まりません。
学校建設自体にも村人たちは参加します
学校はみんなで建てます
歓喜に溢れる落成式
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現在94校建設!

8年間で94校を建てました。

ミャンマーの学校

ミャンマーの学校は、日本の学校のように小学校・中学校・高校のように分かれていません。

日本の小学校にあたるGrade1〜Grade6、中学校にあたるGrade7〜Grade9、高校にあたるGrade10〜Grade11が、小中高一貫校のように、1つの学校の中に全て含まれています。

学校の分類は以下のようになります。

小学校:Grade1〜Grade6まで教えられる学校

中学校:Grade1〜Grade9まで教えられる学校

高校:Grade1〜Grade11まで教えられる学校

発展している地域は高校がありますが、農村の小さな村にある学校の多くは小学校です。その為、Grade7〜9で勉強を続けたい子どもたちは遠くの違う町の中学校へ通う必要があります。

しかし、すべての親が子ども達を遠くの学校に送るための金銭的余裕があるわけでもなく、Grade7〜9、Grade10,11に進学することのできない子どもたちもたくさんいます。また、子どもの数が増え続けているため、田舎の小さな小学校でも教室が足りなくなってきています。生徒数が増えれば、また校舎が必要になるので、村人たちは先生方、そして生徒の親たちと協力し合い、良い良い教育の場の提供のため自助努力を進めていきます。

Sin Kaung Gyiの例

イラワジ管区のKyon Pyawにある、Sin Kaung Gyiという村でのプロジェクトは2015年に始まりました。

当時、学校には465名の生徒が在籍しており、学校はBasic Education Middle School (日本の中学校相当)でした。Sin Kaung Gyiは、ARTICと一緒に二階建ての校舎を建築し、高校の一歩手前であるBrunch High School に昇格しました。

その後、開発プロジェクトの資金(村人たちで貯めた学校建設費25%)で村人たちは田んぼと畑を買い、稲作と豆栽培を始めました。

委員会を中心に村人たちでプロジェクトを進め、村がさらに良くなるための新たなプロジェクトを彼らは進めていきます。

学生数がさらに増えたSin Kaung Gyiの村人たちは、校舎をもう一つ増やそうと決めました。

彼らは開発プロジェクトで得た資金と、村人たちが出し合った資金で自ら二階建ての校舎を作りました。

ARTICと共に建てた校舎とさらにもう一つの校舎ができ、学校はBasic Education High School (日本の高校相当)に昇格しました。

その後も村人たちは協力し合い、校舎だけではなく校長先生や教員のための職員室を建設、そして学校に門を設置しました。このように、村人たち全員で団結し、自助努力を習慣化し、よりよい社会を自分たちの手で築いていくことが私たちのプロジェクトMMM(Mile Stone Movement)最大の特徴です。

村の委員会、先生方とのミーティングの様子