教員研修プログラム

教育の質を向上させるための教員研修

2019年、Human Resource Development Centre(人材育成センター)をイラワジ管区モウービン県パンタノウに設立しました。

ミャンマーの教育の問題点を改善するためには、立派な学校のみならず、立派な教員が必要であることは明らかです。教員としての使命感を持ち、生徒に愛され、尊敬される教員とならなければなりません。当会はそのような教員を育てることを目的として、教員の研修事業(Human Resource Development Program=HRDP)を実施しています。 

現在のミャンマ-の教育のあり方に危機感を持つミャンマー教員OBに講義して頂くことで、自分で考え行動し、探求心や使命感を実践できる若い教員たちを育成しております。2020年までに、300名の先生が研修センターで一週間の研修を受けました。ここで研修を受け、感銘を受けた先生達が地元に帰り、自分が学んだことを多くの先生達に伝えています。地域レベルの研修を自分たちで実施し、このHRDPのファミリーが680人へ増えました。これは、研修を受けた先生方が、自分の意識を変えることができたということを表しています。

研修内容

研修施設は研修棟と宿泊棟の2つの施設を有し、一回に受け入れる人数は初等教育に従事する先生を中心に30人です。これまでミャンマ-にはなかった、参加型のワークショップを取り入れました。元教員からの授業や、SMART Goal, Problem Solving, Life Long Learner, Vision, Debate, Action Planなどの研修をしています。

ミャンマーの先生方の中には、教育に興味がないけれど、仕方なく教員になった先生も多くいます。しかし、子ども達に勉強を教える先生は、子供たちの未来を背負っています。ARTICの研修では、先生たちに学校で教える内容を研修するのではありません。先生たちが、『教師』としての責任感をもち、子どもたちの教育に携われるような研修を目指して実施しています。

(例)第九回目の研修スケジュール

研修成果

研修の最終日にはこの1週間で学んだことについてアクションプランを書いてもらいます。研修を終了した教師たちはそれぞれの学校に帰り、掃除、ゴミ拾い、囲碁、ラグビーなどを子供たちと実践し非常に役に立っています。さらに、実践した先生たちはARTIC HRDグループのFacebookに投稿し、お互い切磋琢磨し学校の発展や教育の充実に貢献を続けています。

日本教育視察研修

毎年、研修に参加された先生方から約十名を選抜し、日本に連れていき、教育視察研修を行っています。

ミャンマーでは2016年よりNLDの民主政権が発足していますが、3年以上経過しても全く国が良くなっているという実感がありません。それは、軍事政権が終わればミャンマーは良くなると信じてこれまで何の努力もしてこなかったミャンマー人一人ひとりに問題があると考えています。多くのミャンマー人は「権利は主張しますが責任は取りません。」これが今のミャンマーの姿です。先生が平気で嘘をつきます。嘘をつくことに罪悪感を感じていませんから、悪いこととも恥ずかしいこととも思っていません。俄には信じがたいと思いますが、日本に行く先生を選抜する面接の時にある教師に「研修に参加する前と後では何が変わりましたか?」という質問に対し、「研修終了後一度も嘘をついていません。」という真面目な答えが帰ってきました。

 一言で言うと教育以前の問題です。これは軍事政権時代の負の遺産ですが、ミャンマーが民主的な国家に変わって国際社会の仲間入りをするためには規則を守る約束や時間を守るといった社会が存在していく上で基礎となるモラルや道徳心が必要ですが、それをもう一度教育の現場から作り直していかなければならないというのが人材育成研修の目的でもあり、日本に視察研修に派遣する理由でもあります。

 今回の研修に参加した先生方からは、日本では一度も車のクラクションの音を聞かなかったとか、どこにもゴミが落ちていなかったとか驚きの言葉が上がっていました。また、小学校や中学校にある本の数、そしてそれを読んでいる生徒の数にも驚かれていました。

 今回の研修は、概ね所期の目的を達成することが出来て無事に終了することが出来ました。受け入れを頂いた玉名市、玉名市教育委員会を始め、各学校や施設の皆様、ホームステイを受け入れてくださった家族の皆様に心より感謝申し上げます。